アレルギー疾患は、さまざまなアレルゲンによって引き起こされる症状の総称です。代表的な病名としては花粉症、アトピー性皮膚炎などがあります。通常、免疫機能は体を守る役割を果たしますが、時に体内に無害なはずの花粉や食物などに対して過剰に反応し、アレルギー反応を引き起こします。風邪と思われる症状が長引き、鼻水やくしゃみが止まらない場合や、原因不明の湿疹が現れる場合は、アレルギー反応による疾患が考えられます。心当たりがある方は、ぜひ一度当院にてご相談ください。
花粉症
花粉がアレルゲン(抗原:アレルギーとなる原因物質)となって、引き起こされる様々なアレルギー症状のことを花粉症と言います。一口に花粉と言いましても、人によってアレルゲンとなる花粉は様々です。多くの場合、春先に飛散するスギやヒノキがよく知られていますが、初夏に飛散するカモガヤなどイネ科の植物、秋の季節に飛散するヨモギやブタクサが原因になる患者様もいます。
主な症状は、アレルギー性鼻炎の症状である、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのほか、アレルギー性結膜炎の症状(目の充血、目のかゆみ、流涙、目の中の異物感 等)も併発するようになります。
なお花粉症の場合は、原因となる花粉が飛散する時期のみの発症となるので、季節性アレルギー性鼻炎、あるいは季節性アレルギー性結膜炎と呼ばれることもあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、免疫系の過剰反応により、皮膚のバリア機能が低下し、炎症が生じる慢性的な皮膚疾患です。主な症状には、かゆみ、湿疹、赤みがあり、肌が乾燥しやすくなります。この病気は遺伝的要因が関与しており、家族歴があると発症しやすい傾向があります。また、環境要因やアレルゲン(花粉、ハウスダスト、ペットの毛など)によって症状が悪化することもあります。適切なケアと管理が重要であり、保湿や刺激物の避け方、ストレス管理、アレルゲンの除去などが推奨されます。
検査について
当院では39種類の主要なアレルゲンに対して採血検査によりアレルギーがあるか検査出来ます。
おおよそ3割負担で5,100円かかります。
治療について
花粉症では、アレルゲンの原因となる花粉が判明している場合は、原因となる花粉が目や鼻の粘膜などに付着しないための予防対策をします。例えば、外出中は花粉をできるだけ避けるべく、帽子、眼鏡、マスクを着用し、家に入る際は衣服に付いたとされる花粉を叩き落とします。家の中は空気清浄機などを用いて空気をきれいにする、掃除をこまめにするなどします。
またアレルギー症状を抑える治療に関してですが、アレルギー性鼻炎の症状については、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の内服薬を使用します。鼻づまりの症状が強ければ、鼻噴霧用のステロイド薬を使用します。またアレルギー性結膜炎による症状については、抗ヒスタミン薬やステロイド系の点眼薬を使用していきます。
なお原因となる花粉が飛び散る2週間ほど前から、薬物療法を始めていくことで、花粉症シーズンの時期に症状が出にくくなる、もしくは発症しても軽度にする治療法として初期療法というのもあります。これを希望される方は、原因花粉が飛散する1ヵ月前には一度ご受診されるようにしてください。
アトピー性皮膚炎の治療は、炎症の緩和と再発予防が中心です。まず、皮膚の保湿が非常に重要です。保湿剤を使用し、肌の乾燥を防ぎます。また、症状が重い場合には、ステロイド軟膏などの外用薬や抗ヒスタミン薬の内服を使用して症状を抑えます。
関東の飛散状況
抗ヒスタミン薬の種類
抗ヒスタミン薬には、第一世代と第二世代の2つの種類があります。最初に登場した第一世代抗ヒスタミン薬は、脳に強い影響を及ぼし、眠気や認知機能の低下などの副作用がありました。そのため、第二世代抗ヒスタミン薬が開発されました。現在、第二世代抗ヒスタミン薬が一般的に使用されています。第二世代抗ヒスタミン薬は、副作用が少なく、効果が持続し、アレルギー反応の治療にも優れています。
第一世代抗ヒスタミン薬
商品名 |
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ポララミン |
アダラックス |
レスタミン |
第二世代抗ヒスタミン薬
表品名 |
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アレジオン |
エバステル |
ジルテック |
タリオン |
アレグラ |
アレロック |
クラリチン |
ザイザル |
ビラノア |
デザレックス |
ルパフィン |